再筆:JDとLLM
ロースクール留学を考えるとき、まず最初に現れるのが、JDかLLMかという問題です。3年間JD課程を体験してみて、実際どう思うか、どっちにすべきかを書きたいと思います。私の通った学校のことをベースに書いているので、全ての学校に当てはまることばかりではないかも知れないということをご承知おきください。
まず再三書いているように、アメリカのロースクールには基本的にJD、LLM、SJDという3つの学位があり、JDは3年、LLMは1年、SJDは期限なし(研究が終わるまで)となっています。この期間も人によってさまざまで、早く学位がほしい人は夏休みにも授業をとって2年半ぐらいでJDを終わらせてしまう人もいるし、ゆっくり勉強したい人は4年かけても大丈夫です。夜間コースのJDは基本的に4年で卒業になっています。JDはJuris Doctorの略です。アメリカの大学には学部レベル(Bachelor)で法学部がないので、弁護士志望のアメリカ人は必ずこの課程を履修します。卒業すれば、アメリカのどの州においても、司法試験を受けて、弁護士資格を取得することができます。
LLMというのはMaster of Lawsの略で、いわゆる法学修士です(なぜLが2つついているのかは不明)。JDの上の学位とされていますが、これは外国人向けとアメリカ人向けのコースに分かれています。外国人向けLLMは本当に「アメリカ法基礎」という感じで、法律英語の授業があったり、契約法や憲法の要点だけをまとめて授業があったりして、卒論も要求されません。外国の法学部を卒業した人はJD課程を修了済とみなされ、この1年のLLM課程を終わらせるだけで、ニューヨーク州かカリフォルニア州で司法試験を受けて、弁護士資格を取得することが可能です。(アメリカの弁護士資格については、こちらの記事を参照)
一方、アメリカ人向けのLLMは法律研究に重点がおかれており、JDを卒業した後に、という趣旨のコースです。卒論が要求され、社会人経験がないと入学が難しいようです。最近は就職難のため、LLMに進学するアメリカ人JDも増えているらしいですが、このLLMというのが玉石混合で、1年かけてとったはいいが、それほど就職に有利に働かないケースも多いようです。ただ、税法など詳細な知識が要求される分野はLLMの学位が必要と聞きます。

