2010年2月 6日

アメリカの弁護士資格

前回の関連エントリーです。

世界中のほとんどの国で、弁護士資格を出すのは中央政府だと思います。日本では法務省の管轄です。しかし奇妙なことに、アメリカでは司法試験は州ごと、弁護士資格も州ごとの授与なのです。

このユニークな制度は、アメリカの建国の歴史に由来します。考え方として、アメリカ合衆国という国は50の州が「寄り集まって」できた国なのです。日本のように、1つの国を47の都道府県に「分けた」のとは違います。もともと50の州はそれぞれ独立した「国」なので、"State"(=「国」)と呼ばれます。国ならば自前の法律や軍隊を持っているのも当然。ただ、外交問題や州と州の間の通商問題などは中央政府でやった方が都合が良いので、そういう限られた案件については中央政府に預けているのです。

そういうわけで、弁護士資格の発給元は「国」、つまり州になります。民法(アメリカでは契約法、不法行為法、家族法などに分かれる)、刑法、会社法、民事訴訟法などもそれぞれの州が独自の法律を持っているし、「国」ですから、憲法もあります。裁判所もそれぞれの州にあり、インディアナの判例はニューヨークの裁判所では役に立ちません。インディアナの判例はインディアナの法であり、ニューヨークで法として認められているわけではないからです。

アメリカで弁護士が多い理由の1つは、このように各州が違う法律を持っているからだと思います。ものすごく単純に言えば、法律の量が日本の50倍あるわけです。それを裁く人間の数が50倍必要といっても別におかしくはないでしょう。

ちなみに、司法試験の受験資格はアメリカのロースクールで3年間のJD課程を修了した人に与える、とする州がほとんどですが、ニューヨークとカリフォルニアでは、1年間のLLM課程を修了した人にも受験資格が得られます。ただし、LLM課程に入学するには外国で法学部を卒業しないといけません。日本の弁護士でアメリカの弁護士資格を取る人は、大体が法学部を卒業しているため、LLMに1年間通ってニューヨークで資格取得するのが一般的なようです。

・・・私ですか?まだどこで受けるか決まってないです。。。