2011年6月19日

JD留学の予算と奨学金

「奨学金は受けていますか?」という質問が今までに結構寄せられたので、JD留学の予算と私が受けている奨学金のことについてお話します。

まずJDの授業料ですが、アメリカでは1年の在籍期間につき定額の授業料を払うのではなく、授業を1単位とるごとに課金されます。JD課程を卒業するのに必要なのは90単位で、今年の1単位ごとの授業料は約$1200です。私が入学した年度は1単位$1000ぐらいでしたので、結局授業料は合計で1000万円ぐらいになったと思います。私のロースクールは州立なので、これでも安いほうです。私立のロースクールはもっと高いはずです。生活費は、渡航費とか保険料とかも全部合わせて500万円ぐらいではないかと思います。3年間で1500万円くらいかかったということです。

私が受けている奨学金は日本学生支援機構の海外第二種奨学金(貸与)です。大学院用なので、月々最大15万円まで借りることができます。3年間の貸与総額は555万円で、これで生活費と授業料の一部をまかないました。卒業後は20年間で月々約3万円返すことになっていて、返済総額は650万円くらいになるはずです。この奨学金はわりとすんなり取れた感じがします。大学を卒業してから数年以内でないと貸してもらえないのですが、大学院生の場合、両親の収入は聞かれず、本人の年収のみ(私の場合ゼロ)で審査されるので、両親にそれなりの収入があってもパスできる。

手続は国内の奨学金とほとんど同じだと思います。違うのは、毎年、成績証明書と在籍証明書を日本語訳で送ってこいと言われることくらいでしょう。また、留学奨学金は連帯保証と機関保証にダブルで加入しなくてはいけません。この機関保証という奴が曲者でして、私の場合、月々8400円も機関保証料を払わされている。つまり、15万円の奨学金と言いながら、私が月々もらえるのは14万円ちょっと。連帯保証人つけてるのに、何でこの保証料を払わなくてはいけないのか、すごく理不尽な感じがします。

「日本の奨学金は貸与ばかりで、アメリカのように給与の奨学金が少ないからよくない」と言われていますが、アメリカで厳しいのは、破産しても教育ローンだけはチャラにならないところ。その点、日本では破産してしまえば教育ローンもチャラなはずなので、むしろ日本の学生はアメリカの学生より得できるんじゃないかなと思います。最近は不景気で奨学金が返せないという問題が出てきてるらしいですが、どうしても無理なら、最後に破産というのはありだと思います。借りる時点で「卒業後は安定的な収入が確保できるはず」と思っていれば、詐欺罪にもならないはずです。日本の法律のことはよく知りませんけれど。

最後に国民年金の話。海外に留学すると国民年金は任意加入になり、保険料を払わなくても「未納」扱いにはならず、「未加入」となって悪者扱いはされません。ただ、払ってないことに変わりはないので、後々受給要件を満たせなって困るかもしれないし、万一の場合の障害年金のためにも、私は払うことにしています。通常、収入の少ない若い人は若年者猶予制度を使って、支払いを先延ばしにしてもらえるのですが、不思議なことに私はこの制度が使えませんでした。海外在住だからか、任意加入だからかは定かではありませんが、とにかく留学生はこの制度を使えない。

ただでさえ留学は金がかかるのに、毎月の奨学金の中から1万円以上が保険料で消えていくのはひどいと思います。収入ゼロなんだから、猶予にしてほしい。払わないと言っているわけではないのですから。文科省に問い合わせたところ、年金は厚労省管轄なので知らぬ存ぜぬ。日本政府は留学生を送り出そうという気がないのかもしれませんね。「働きもせずに外国に行って勉強してるとか言いながら、ただ遊び暮らしてる奴ら」とでも思ってくれているのかもしれません。それはそれでも結構ですが、「海外に出て学ぼうという意識が弱く、学生が内向きになっている」なんて言わないでいただきたいと思います。

コメント

日本は私立でも年間150万円くらいですから、アメリカと比べたら全然安いんです。

これからはもっと留学する意欲を起こさせる政策を採るべきかもしれませんね。

おお、奨学金なかま。さっさと返して機関保証料を取り戻しちまおう。
ヒロヲが行ったときはこういう活動はなかったか。
https://twitter.com/masahiro_ono/status/80409365437366276

>hiroyukiさん
学生を海外に送り出して勉強させることは国策として重要だと考えます。留学生を増やすには、公費の枠を増やすことも大事ですが、私費留学者の負担を減らし、留学をもっと身近なものにしていかないといけないと思います。

>junji
機関保証料って返ってくるんだ。確かに保証料は20年後の返済完了日までで計算されているはずだから、繰上返済すれば差し引かれた期間の保証料は戻すのが筋だよね。

その活動、君のRTで興味を持ってサイトをのぞいてたけど、最近始まったみたい。私の時代にはなかった。理系の人が多いみたいだけど、文系の留学生にも需要があるなら、参加してみたいと思ってる。

国内の一種なら機関保証料は返ってくるはず。だが海外のことはわからない。全額かどうかもちょっとあやしいし、自分で調べてみるのが吉か。
蛇足ですが、猶予している国民年金は金利がついていくらしい。追納するなら、所得控除に入れるのがいいという噂もあるが、どうなんだろう。
海外の話聞くとそういうのもいいかも、って思っちゃうよね。

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