ボストンキャリアフォーラムtips
先日、ボストンキャリアフォーラムの面接ではどんなことを聞かれるのかという質問をいただいたので、コメントで回答したのよりも少し詳しく書いてみようと思います。DISCO社が行う留学生向けのキャリアフォーラムは、ロンドン、東京サマー、ロサンゼルス、ボストン、東京ウィンターの順に行われますが、やはりボストンが出展企業も一番多く、採用数も多いそうです。逆に、東京サマーなどは企業側も単なる様子見で、内定を出すところは少ないらしい。ですから、今夏に内定をもらえなかったとしても、ボストンに向けて頑張れば大丈夫ということです。
私は就活の専門家でも何でもないので、以下に書くことは自分がやってみての印象に過ぎません。私が思うに、ボストンフォーラムの面接で大事なのは3つあって、1つはコミュニケーション能力、2つはキラークエスチョンへの十分な回答、そして最後にプラスアルファの要素です。
どんな質問が来るのかというのは、面接を受ける側からすると気になるところですが、別に質問攻めにされるわけではありません。これは普通の企業面接でも同じだと思います。ある面接官は、私にコミュニケーション力があるかどうかを見たいから面接をしているんだと言いました。会社に入ってから、社の内外の人たちと上手くコミュニケーションをとって、仕事を円滑に進められる人間かどうか、それを見ているのだから、面接官の聞いたことにただ答えるようなやり方はやめて、次からはもっと自分を出していけ、もっと身振り手振りを使って、自分の思っていることをアピールしろと言われました。今思えば、めちゃくちゃ親切な面接官でした。
もちろん、全ての面接官が同じとは言いませんが、彼のような見方で見ている人は多いのではないかと思います。企業面接というと、姿勢をピシッと正して手は机の下、身体を動かさずにハキハキ答えるというのが私のイメージでしたが、それよりは、前のめりで身振り手振りを使って話す方が、面接官に対する受けはいいんじゃないかと思うようになりました。現に、注意してくれた面接官の次の2人にはその方法でやってみて、内定が出ました。
しかし、ただコミュニケーションが上手いだけで採用されるわけではないはずです。面接官がする質問の中でも特に重要なものがいくつかあって、それに上手く答えられるかがポイントになると思います。
まず、「なぜその分野に行きたいか?」「なぜこの会社を選んだか?」は一番最初に聞かれる、一番大事な質問です。なぜ、「なぜ?」と聞くかというと、たぶん、それで回答者がどのくらい準備してきたかわかるからだと思います。理由というのは見つけるのに時間がかかります。面接している間にすぐ答えるようなことは、普通では難しいはずです。面接を受けている会社が第一志望である必要はないと思います。ただ、その会社の魅力をきちんと理解しているかが大事です。私は以前の記事で、ビジネスというのは法律と違って、分析手法が二次元的だと書きました。X軸に時間、Y軸に競合他社を並べて、業界全体がどのように推移しているかを考えるということです。こういう分析は、分野を選ぶ理由、会社を選ぶ理由を見つけるのに役立つのではないかと思います。
そして、「10年後、自分は何をしていると思うか」。これは非常に重要な質問だと思います。最初に受けた会社で私が内定が取れなかったのは、おそらくこの質問にきちんと答えられなかったからです。これも入念に準備していないと答えるのは難しい質問です。これは生涯会社に忠誠を尽くしてくれるかどうかではなく、将来についてしっかりしたビジョンを持っているかを聞いているのだと思います。だから、以前の記事で回答したように、「会社に残っていればこういう仕事をしていたいが、独立していればこういう仕事がしていたい」というふうに、将来会社を辞めるというオプションを含めて回答しても問題はないはずです(責任は持てませんが)。
「今後、M&Aが起こりそうな業界はどこか?」というのは、印象には残っていますが、実際のところ、1社からしか聞かれていません。これは、分野についてどのくらい専門知識を持っているかと試す質問でしょうが、上手く答えられればボーナスポイントという程度の質問ではないかと思います。文系理系で異なるかもしれませんが、私はフォーラム全体を通して、金融の専門知識を問われたという印象はほとんどありませんでした。それよりは、上に書いたような、もっと基礎的なことを重点的に見られた気がします。
プラスアルファの要素ですが、この点で特に重要になるのが、「何か我々に聞きたいことはあるか?」という質問に対する回答だと思います。ここで面接官を唸らせるような質問をかまして、ポイントを稼ぐことが重要です。決して「ありません」で終わらせてしまってはいけません。私がよく使った手は、面接官の素性を話してもらう、今後の人生についてアドバイスをもらう、です。その会社に内定が決まったとして、働き始めるまでにどんな準備をすべきかという質問をよく使いました。今から考えれば、面接官のやってきた仕事の中で特に印象に残ったものとか、そういうのも聞いていたらよかったと思います。まあ、唸らせる質問と言えるかどうかはわかりませんが。
ある面接官は、このフォーラムに来る人は留学生だから、当然能力も平均の日本人学生よりは高いし、意識も高いことはわかっていると言っていました。ですから、この最後の質問に限らず、個々の質問に対する回答の中で、プラスアルファの部分点を少しずつ稼ぐことはとても大事だと思います。回答をしている最中に、面接官が急いで紙に何かを書きとめたら、部分点獲得と思っていいでしょう。その回答は、他社の面接でもプラスに働くはずです。
最後に、細かいことを数点。金融関係を志望する人は、数理問題が書類審査の段階で課されることがありますので、その準備をした方がいいです。日本語でやることもありますが、英語のことも多いので、英語で準備しましょう。内容は簡単なのですが、時間制限があるので、数字に慣れていない文系の人には、準備なしではつらいと思います。私もこれで1社落とされました。
それから、学歴はそんなに大事ではないと思います。私が通っていたのはインディアナ大学の分校で、アメリカ国内でも全くの無名校といっていいほどですが、私の知る日本人の卒業生は全員一流の企業に就職しています。アイビーリーグ(全米でもトップの大学)でないと無理とか、そういうことは全くありません。また、課外活動に関して質問されたことはほとんどありません。日本人学生会のこととか、話そうと思って準備していたのですが、全然使いませんでした。この辺は、国内の就活と違うところかもしれません。

